IT利用の安全は誰が守るのか?

国内では情報漏洩事案が毎日のように報道されており、日本がとりわけ脆弱のように扱われている。世界を見渡して果たして日本のセキュリティはそれほど脆弱なのだろうか?欧米諸国やアジア先進国での情報漏洩やそれに伴うセキュリティ犯罪の発生状況を考えるとまだまだ少ないように思える。

個人情報保護法が施行される以前の情報管理はどうだったか考えてほしい。
電話帳には個人名と住所/電話番号が掲載され、電話契約者全員に配布されていた。紳士録やプロ野球選手名鑑、高額納税者名簿、等々。携帯電話番号やクレカ情報は無いが資産状況まで、今でも古書店を巡ると入手可能なものもあり、当時の情報として誰もが知ることができる。

「顧客情報」として公表されているが、企業の社内には多くの個人情報が管理されている。人事、経理、労務などの社内システム。名刺管理や取引先との営業システム。これらシステムでの情報漏洩は社内案件として公開されているか判然としないところがある。年末調整の時期であり、源泉徴収業務を担う各企業内の担当者は従業員が提出する資料(データ)の管理を今一度見直す必要があるだろう。

では、外部からのシステム攻撃に企業はどのように対処すべきだろうか?
具体的なシステム構成やセキュリティ対策は専門家に任せるとして、前提となる考え方が重要である。

「国やネット業者、セキュリティ委託先は情報漏洩の責任は取りません」

外部からの攻撃に予防的に防御する義務は、ユーザー企業が行うしかありません。高度化する攻撃に対してユーザー企業も同じく高度化して防ぐためにはそれなりの投資が求められ、大手の中でも一部企業以外では(その一部企業であっても)完全の防ぐことは不可能でしょう。
したがって、情報漏洩時のリスクを最低限にすることが求められます。

リスクヘッジする方法にはいくつかありますが、効率化によりリスクを増大化しないことも一つの方法です。システム連携やAIエージェントで複数のシステムを効率化することは、すべてのシステムに被害が及ぶ可能性があります。
・IDの統合
・システム連携
・統合クラウドパッケージ利用
特にID統合は業務効率化には必須ですが、リスク要因として大きくなります。

業務の効率化を仕事として検討してきた自分が言うのもなんですが、ネットに継がないシステムの寄せ集めが安全かもしれません。
そのうえで必要最低限のクローズドネットの構築と低階層での分離を行ったネット接続、或いは中間サービスを介したサービス利用が考えられます。
何しろ、こうすれば便利だよね、の考えと逆を行うことです。

年末調整や所得税の徴収と支払、年金業務に社会保険手続き。
会社の総務担当者が国に代わって行っているにすぎませんが、従業員からすれば個人情報を会社に預けて勝手に処理されてます。
マイナポータルを用いれば、個人での申請や申告が可能です。欧米では個人が士業と契約して作業をお願いすることも多いです。日本の給与に事務手続きの費用が含まれていると考えると、賃金が欧米より安いのは納得のいく構造と云えます。

個人上セキュリティの観点から言えば、日本の中小零細企業が用いているシステムは脆弱すぎるといえます。
政府はこれら企業の相談に乗ると言っていますが、どこまで寄り添えるのかは疑問です。

昨今の個人情報流出事案の報道では、顧客情報のみが取り上げられています。 
本当に重要なのは社内にある従業員情報の管理だと考えます。

どのように管理されていて、情報流出のリスクは無いのか?
早急に把握し、必要な対策を講じることが必要ではないでしょうか。

投稿者プロフィール

IchikawaTomoaki
IchikawaTomoaki
有限会社リッジシステムズ
代表取締役

休日は趣味のカメラ撮影で地域の景色を見て回っています。